ほんの少し暑さが和らぎ、セミの大合唱からツクツクボウシの鳴き声が聞こえる季節になりました。
皆さま、残暑お見舞い申し上げます。
少し前になりますが、前回のブログを更新した日は、掛川市のヤマハ本社工場にて、10月にオープン予定の劇場のピアノを選定するお仕事をさせていただきました。
天井の高いホールのような選定室にて、産まれたてのCFXモデル4台を試弾。
職人の手によって手作りされた楽器は、技術と知恵、愛情と情熱の結晶であり、それぞれに個性の光る素晴らしい楽器でした。
選定にあたり、日頃信頼する調律師さんからもアドバイスを受け、まずはタッチや音色よりも音の鳴りや音の密度、太さを重視して判断しました。
そして、大抵のピアノで気になってしまう次高音と呼ばれる音域の音の伸びと、簡単に調整のできないバスの音域は入念に弾きこみ、4台から2台へ絞りました。
1台は、健康的かつ男性的な響きの楽器、もう1台は上品で華やかな響きの楽器に感じられ、それぞれに特徴がありとても悩みましたが、最後は私の独断で、年月をかけてさらに美しく変化していくであろう、可能性を秘めた楽器の方を選びました。
1台1台同じ工程で作られても違う魅力があるのが良い楽器の証拠なのでしょう。長年ホールで多くの方に親しまれる楽器を選ぶという重責を負いつつも、素晴らしいピアノとの出会いはとても嬉しく、幸せなひと時でした。
さて、どの楽器を選んだかは…劇場のピアノお披露目ウィークでのお楽しみです!!!
ちなみに今月末には他社のピアノの選定を行います!
選定後は、リヒテルが使用していたフルコン2台も試弾させていただき、歴史薫る音色にしばし酔ってきました。
この譜面台、欲しいです…
お土産にハンマーのキーホルダーをいただきました^ ^