まだ梅雨真っ盛りですが、雲の上はすでに夏の空が広がっていますね。
前回の投稿以降、各地で約450組の演奏を聴き、ひたすらアドバイスを書き続けるお仕事をしていました。ピティナで大分市(コンペ)、府中市(ステップ研修)、広島市(コンペ)、大阪芸大の学内オーディションの審査…短期間にこれだけ様々な演奏に触れたのは、初めてかもしれません。
毎度のことですが、芸術に点数をつけ、短い演奏時間内に的確なアドバイスを書くのは本当に難しい…乱雑な字になってしまい申し訳なかったのですが、一言でも心に届いていますように!
審査を通して感じたのは、綺麗に弾くことや練習の成果をミスなく披露することを目的としたコンテスタントが大半だったこと。
心から音楽を愛して、たとえワンフレーズでも自分が感じたことを素直に表現しているのが伝わってきた時は、多少音が乱れても救われるような思いになりました。
一生懸命準備をしてステージに臨むのは貴重な経験になりますが、コンクールとなれば入賞したいという欲も出るでしょう。でも、音楽に対する純粋で謙虚な気持ちが120パーセントないと、いくら立派に弾けても結果は不思議とついてこないものです。
上から目線のような物言いですが、何を隠そう自分自身がそうだったからこそ、コンテスタントの思いも手に取るようにわかるのです!
「君が何を表現したいのか僕には理解できなかった」
これはライグラフ先生からレッスンで何度となく言われた言葉です。
「アジア人は本番でも"練習"するんだよね」
これはロシア人の門下生が、ミスなくただキレイに弾くアジア人を皮肉って言っていた言葉。
焦ると周りが見えなくなるのは音楽でも同じ。結果を求めず、作品から何を感じるのかじっくり自分自身と向き合えば、音楽の方からどんどん歩み寄ってきてくれますよ!音楽の喜びを思う存分堪能しましょうね。
今回はあまり写真を撮れなかったので、大分の帰りに寄った別府温泉の海辺の一枚を。
別府温泉では生まれて初めて熱湯風呂に入り、全身ゆでダコ状態になりました。
大分は来年1月にヴィオラの生野正樹さんとのデュオコンサートで再訪します♪